設立経緯と沿革
設立経緯
岩手県立大学では、平成17年度より科学技術振興機構から助成を得て、独創的シーズ展開事業の大学発ベンチャー創出推進(開発課題「人工関節術前計画システム」(開発代表者:土井章男 岩手県立大学教授、起業家:伊藤史人))を実施してきました。本展開事業は、大学の研究成果を基にした起業や事業展開に必要な研究開発を支援するもので、平成17年度は、合計112件の応募があり、その中から書面審査および面接審査により、30件が採択されています。
「人工関節術前計画システム」のプロジェクトでは、人工関節(インプラント)の3次元配置シミュレーションによって、最も適合するインプラントを選定し、確実な施術を可能にする人工関節術前計画システムを開発しています。このシステムの実用化により、患者に対する医療の質向上に貢献するだけでなく、今後、手術ロボットを用いた新しい手術手法への発展も期待されます。
沿革
「人工関節術前計画システム」の研究成果を基に研究開発メンバー等が出資して、「株式会社アイプランツ・システムズ」(代表取締役社長 土井章男 、本社:岩手県岩手郡滝沢村、資本金:600万円)を平成19年7月25日に設立しました。
本社所在地は、岩手県立大学地域連携研究センター内です。そのため、岩手県立大学との共同開発が容易であり、研究成果を論文や特許として発表することに加えて、研究成果を活用した革新的な製品を開発・販売することで、より研究成果を発展させたいと考えております。また、他大学(千葉大学、大阪大学、京都大学、北陸先端科学技術大学など)、他企業との共同研究も積極的に推進します。
株式会社アイプランツ・システムズでは、今後マーケッティング活動やシステムの完成度を高めて、平成19年9月より、Volume Extractor 2.0とSMESH Ver.1.0、平成20年度前半には、大腿骨・脛骨の骨軸自動抽出ツールの販売を開始しました。平成23年度後半には、より使い易さと機能がアップしたVolume Extractor 3.0 Rel. 1.0を出荷しました。平成24年度以降はこれまでの蓄積された研究・技術を利用し、医療用支援システムの受託開発を逐次開始しています。
最近では、CT、MRIなどの計測装置の普及、3Dプリンタの高性能化と低価格化により、3D画像からのラピッドプロトタイピングが有効かつ活発になっており、Volume Extractorが有効な支援ツールとなっています。
2005年9月 JST「大学発ベンチャー事業」採択
2006年1月 JST「大学発ベンチャー事業」開始
2007年7月 株式会社アイプランツ・システムズ設立
2015年4月 Volume Extractor 3.0 「第27回中小企業優秀新技術・新製品賞」奨励賞受賞